酒粕化粧水の魅力を知ってる?美白の効果はいかに

■酒粕化粧水とは

 

・酒粕とは

最近、発酵食品が注目されていますが、酒粕もその一つです。主に冬期に登場する粕汁や甘酒のイメージでしょうか。その昔は、ともすれば厄介者だった酒粕が、甘酒の爆発的ブームが起こったことにより、急に注目を集めています。

酒粕は、日本酒を作り出す過程(お米と米麹の仕込み)後に発酵してできた、もろみを搾ってろ過されたもの。ろ過された液体は日本酒になり、固形は酒粕になるということです。

どの発酵食品にもいわれている通り、栄養価が高いわけですが、酒粕も例外ではありません。栄養成分は申し分のないほどいろいろなものが含まれています。主にタンパク質、炭水化物、食物繊維、ビタミン類、有酸類、ミネラル類などの他、ペプチドやアミノ酸、麹菌、酵母菌由来のβ‐グルカン、葉酸などで、挙げればまだまだあるのです。

このように、ただでさえ体に良さそうな成分を含んでいる酒粕ですが、美容にまで良い効果を生んでいるといい、酒を仕込む杜氏の手が白くて美しいのは、まさにそのせいだといわれています。美白効果があるというのです。

内側からメラニンが増え過ぎるのを予防してくれる、チロシナーゼインヒビターと呼ばれているものに起因し、その成分の代表的なものは3つあります。シミやそばかすを防ぐ働きをする「コウジ酸」、メラニンの生成を抑える「アルブチン」、メラニンを増やす一因ともなる活性酸素を除去してくれる「フェルラ酸」を挙げることができるでしょう。

 

■酒粕の美容効果

 

・コウジ酸

 

新陳代謝のサイクルが崩れてしまうと、メラニンの排出が減ってしまうため、色素が残ってシミやそばかすになっていくことになってしまいます。そこで、シミ、そばかすなどを防ぐ効果があるとされるのがコウジ酸。発酵代謝物として必ず発生するものになります。

 

コウジ酸の働きは、メラニンを作り出す過程のメラノサイトから出る情報伝達を阻害することによって、根本的にメラニンそのものの数を不必要に増やさないようにしていくことです。

 

 

・アルブチン

 

化粧品のCMなどで耳にしたことがあるかもしれませんが、メラニンの生成を抑える働きをする成分として知られているのがアルブチンです。メラノサイトに直接働きかけるコウジ酸に対して、アルブチンは、次の段階のチロシナーゼ酵素に働きかけ、色素沈着をしないようにする作用があります。

 

似たような作用があるハイドロノキンとの違いは、刺激性の強さにあり、アルブチンのほうが穏やかな作用でありながら、美白への働きが見られる点に、肌質を選ばないということがあるでしょう。

 

・フェルラ酸

 

ポリフェノールの種類に含まれるフェルラ酸。ワインを思い出すとわかるように、ポリフェノールには抗酸化作用がありますから、有害物質に変化してした体内の活性酸素を圧倒的に排除し、免疫力を高める効果が期待できます。

 

抗酸化作用があるということは、体内すべてにおいてのアンチエイジングになることで、健康面はもとより、紫外線を吸収してメラニン生成を抑制してくれ、美白への働きかけや、シミやしわなどの予防にも役立っています。

 

さらに、保湿効果があるセラミドを含んだ「スフィンゴ脂質」という物質の存在も判明し、天然のうるおい成分を持ち合わせていることがわかっています。

 

 

 

■酒粕の栄養成分

 

・タンパク質

酒粕100gに、タンパク質が占める割合は14.9g。一般男性動が1日に必要とするタンパク質は約86gですから、酒粕100gで約1/6ほどの量を摂取できることになります。代謝を促進することで、すべての体の元作りになり、肌細胞の再生にも影響を与えます。

・アミノ酸

タンパク質の素となるアミノ酸。美容面から見ても、肌細胞から分泌される保湿成分の4割はアミノ酸というほどです。酒粕に含まれるアミノ酸は、体内に吸収されやすい分子の小さな遊離アミノ酸という種類になり、特に保湿効果に優れている成分となります。

 

・ビタミンB6

 

酒粕100g中のビタミンB6は0.94mg。白米のビタミンB6量の47倍です。他のビタミンB群の働きとは違い、すべての細胞の核に働いて、アミノ酸の代謝をはじめとする再生を促し、老化防止に貢献していますから、美肌作りにも大いに尽力しています。

 

・葉酸

よく妊婦さんに良いといわれる葉酸。ビタミンB12と一緒に摂ると粘膜や細胞の再生や貧血予防に役立つ栄養素です。魚貝類の粕汁が代表メニューでしょう。血の巡りを良くしますから、スキンケアにもよく、くすみを防ぎ、ハリのある肌へと導いてくれるでしょう。

 

 

・酒粕ペプチド

酒粕には6種類のペプチドが含まれています。血圧を正常に保つ働きをしてくれるのがこれらのペプチドです。高血圧につながる狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの予防をする他、抗酸化作用もあるため、肌にも良い影響をもたらします。

 

 

・レジスタントプロテイン

酒粕の中には、胃酸で分解されず、腸まで届くレジスタントプロテインというタンパク質があります。腸内の余分な脂肪を吸着して排出し、コレステロールを低下させてくれます。食物繊維と同じような働きですので、美腸と美肌に良いでしょう。