肌のターンオーバーを正常にする5つの週間

■食生活

肌に負担をかけないよう、真面目にスキンケアをしているのに、どうしても肌荒れが改善されない。そんな場合は、スキンケアなどの外的要因が肌荒れの原因でなく、食生活などの内的要因が肌荒れに影響しているのかもしれません。考えてみれば、私たちの身体は毎日の食べ物によって作られています。脂っこいものを食べ過ぎてしまった翌日などに、吹き出物ができたりすることはありませんか?食べ物による影響がすぐに表れなくても、実は食べ物と肌は、常に密接に関連しているといって間違いありません。

 

バランスの良い食生活をわかりやすくあらわすために、厚生労働省があらわした食事バランスガイドというものがあります。主食・副菜・主菜・牛乳、乳製品・果物といった項目ごとに、コマの形のイラストにして表されたものもありますが、これは、主食から果物まで、どれかひとつでもかけると、バランスが崩れてしまうということを意味しています。日々の食事の中で、特に重視したい栄養素には、タンパク質・ビタミン、ミネラル・鉄分・食物繊維があげられます。特にタンパク質は肌そのものを作り、代謝を高めてターンオーバーを正常にするといった働きがある重要な栄養素です。ただし、タンパク質は肉や魚、卵などに含まれていて比較的とりやすいため、食べ過ぎには注意が必要です。目安としては、体重1キロに対し1グラムのタンパク質が必要最低限の量なのだそう。一般的な成人なら、朝昼晩と肉や魚を食べれば、すぐに必要量を満たしてしまいます。

 

そこで重視したいのが、タンパク質とともにビタミンやミネラル、鉄分、食物繊維などを一緒に摂ることを考えるという食べ方です。肉や魚などの主菜には、必ずサラダやみそ汁などの副菜が添えられると思います。このような献立は、単に食事の見栄えが良いというだけでなく、栄養バランスの面でも理にかなっているといえるのです。特にビタミンやミネラルは、体内で作ることができない栄養素です。野菜や果物、ナッツや海藻などを積極的に摂取するようにしましょう。ちなみに、肌荒れにはビタミンB2が関連することが多いといわれています。ビタミンB2は、レバーやうなぎ、納豆などに多く含まれる栄養素ですが、美肌のためにちょっと意識してみると良いかもしれません。鉄分不足も肌荒れの大きな要因となりますが、鉄分はビタミンCやタンパク質と一緒に摂ることで効率よく摂取できます。

 

レバーやあさり、ひじきなどは鉄分豊富な食材と言われていますから、副菜として積極的に活用しましょう。食物繊維は、便秘をさけるために必須の栄養素として知られています。もちろん便秘は肌荒れにも大きな影響を与えてしまいますから、食物繊維は常に欠かさず摂取しておきたい栄養素です。しかし、摂りやすいタンパク質などの栄養素に比べ、食物繊維は摂りにくい栄養素です。食物繊維が含まれる食品には、野菜全般やキノコ類などが挙げられますが、食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあり、不溶性のものが多いと便が硬くなり、かえって便秘を引き起こしてしまうことがあるそうです。不溶性の食物繊維は、豆類やキノコ類、ごぼう、かぼちゃなどがあげられますが、これらの食品を食べる場合には、水を多めに摂ったり、水溶性食物繊維であるいもや納豆、ワカメなどを多めに摂るように心がけましょう。

 

このように食生活に関しての意識を少し高めるだけで、これまでどんなスキンケアをしても改善されなかった肌荒れの改善につながる可能性があります。仕事に、プライベートにと何かと忙しい現代人は、特に食生活が乱れがちといわれていますから、自分で意識して整えていくことが大切といえるのです。

 

■入浴

一日の疲れをいやしてくれる入浴は、お肌にとっても良さそうな感じがしますよね。実際に、入浴をすることで血行がよくなり、新陳代謝があがるという効果もあります。しかし、入浴の仕方によっては肌にとって悪影響を与えてしまう場合もあります。たとえば、熱いお湯につかること。熱いお湯につかると、いかにも身体が温まり、リフレッシュ効果があるように感じられますが、実は熱いお湯につかったあとは急激に身体の熱が奪われてしまい、肌の乾燥につながってしまうことがあります。洗顔なども、熱いお湯で行うと肌の乾燥が増してしまいますから、必ずぬるま湯を使用しましょう。また、身体や顔を洗うのは、バスタブに浸かって肌がふやけてからではなく、浸かる前に行ったほうが肌への負担が減らせます。

 

乾燥が気になりやすい人は、入浴後にボディオイルやボディクリームを使うこともあるでしょう。もちろん、保湿のためには非常に効果的ですが、多くの人は身体を拭いてからオイルやクリームを使用すると思います。入浴後の肌は、お風呂から上がったと同時に水分を蒸発させていきますから、保湿効果を高めたいのであれば、バスタオルで拭く前にオイルやクリームを塗ると良いそうです。バスタオルはオイルやクリームを塗ってから、肌を優しく押さえるようにして使いましょう。

 

■睡眠

睡眠不足は肌荒れを引き起こす大きな原因のひとつです。スキンケアや食生活に気を配っていても、睡眠が不足していれば肌の調子も乱れてしまいます。では、良質な睡眠をとるためにはどのようにすれば良いでしょう。基本的には、早寝早起きが重要です。忙しい現代人はついつい夜更かしをしてしまいがちですが、成長ホルモンが多く分泌される時間帯には眠ることが、健康のためにも、美肌のためにも良いとされています。

 

しかし、早寝をしたくても、なかなか眠くならないという人もいるかもしれませんね。そのような場合は、朝起きたらまず朝日を浴びることをこころがけてみましょう。朝日を浴びることによって体内時計がリセットされ、正しい生活リズムを感じやすくなります。その後、身体を目覚めさせるために朝食はしっかりと摂ります。できればこのときに栄養バランスのとれたメニューを摂るのが理想です。

 

そして夜には、寝る2~3時間前には食事をすませ、ある程度胃腸が落ち着いてから眠れるように工夫をします。食後にコーヒーや、寝る前にお酒などを飲む人も多いかもしれませんが、コーヒーなどカフェインを多く含む飲み物は、興奮作用がありますから、夜8時以降はなるべく飲まないようにするのが無難です。お酒も、眠る前に飲むよりは、食事とともに楽しんだほうが、スムーズな睡眠に入れます。

 

 

■サプリ

食生活や生活習慣などを改善しても、それほど効果があらわれないという場合には、サプリメントの力を借りてみるというのもひとつのアイディアです。いまやサプリメントは驚くほどたくさんの種類が販売されていますが、肌荒れに効果があるとされるサプリメントをいくつか紹介します。

 

まずひとつめは、コラーゲンです。コラーゲンといえば、美肌作りには欠かせない成分というイメージがありますが、食品から摂るだけではなかなか十分な量が摂れないのが現実です。サプリでコラーゲンを摂取すると、体内でのコラーゲン合成も活発になるそうなので、サプリを上手に活用して、お肌のハリやうるおいをアップさせましょう。

 

ふたつめのサプリは、ビタミンCです。こちらもやはり美肌には欠かせない成分ですが、コラーゲンと同じく食品から摂取しづらい成分となりますから、不足分をサプリで補ってあげましょう。ビタミンCは、特にコラーゲンと一緒に摂取すると効果を発揮しやすいという特徴もありますから、コラーゲンと共に摂るのもオススメです。三つめはプラセンタです。プラセンタには抗酸化作用があるため、老化の原因となる活性酸素の働きを抑え、アンチエイジングに効果を発揮します。もちろん、肌荒れにも効果的というわけです。

 

■漢方

ひとつのことが原因なのではなく、いくつものことが複雑に絡み合って引き起こしている肌荒れの場合、体質を改善することも考えてみると良いかもしれません。そのためには「気血水」という考え方のもと、身体のバランスを整えてくれる漢方を使用してみるのもオススメです。

 

肌荒れの原因となる肌の乾燥を漢方の考え方で見ると「水」と「気」の不足といえます。この二つを補ってくれる漢方には、黄連解毒湯、当飲子、温清飲、当帰芍薬散、桃核承気湯、桂枝茯苓丸加悥苡仁、消風散などがあげられます。単に肌荒れ、といってもその種類はさまざまで、皮膚の赤味を伴うものから、カサカサとしてかゆみを感じるようなもの、ニキビ、赤ら顔などなど人によって症状は違います。

 

たとえば、単に皮膚の赤味だけならば、黄連解毒湯などが効果的ですが、慢性的に皮膚疾患がある場合には消風散、かゆみもある場合には温清飲などと使い分ける必要があります。ニキビに関しても、白ニキビには当帰芍薬散、化膿ニキビには桂枝茯苓丸加悥苡仁など、症状によって適した漢方が違ってきます。薬局などで気軽に買える漢方から試してみるのも良いでしょうし、本格的にするのであれば漢方医に診てもらったり、漢方薬局で相談してみると良いでしょう。西洋医学のお医者さんと違い、漢方の専門医はどこにいるのかわからないという人も多いと思いますが、最近は日本東洋医学会による漢方専門医検索ページや官報の専門サイトなどもありますから、それらを活用すると身近な漢方医を見つけることができるはずです。

 

また、漢方医でない普通の医師でも漢方薬を処方することは可能ですから、かかりつけ医に聞いてみるのも良いかもしれません。漢方薬局では、漢方薬剤師と呼ばれる漢方の知識が豊富な薬剤師が漢方薬を調剤してくれます。病院では症状の改善に効果のある薬しか処方されないこともあるので、体質改善のためには漢方薬局のほうが適していると感じる人も多いようです。