美白化粧水でよく聞くトラネキサム酸とは?

■トラネキサム酸とは

 

美白成分の一つであるトラネキサム酸。美白に関心がある方なら、よく耳にする言葉ではないでしょうか。トラネキサム酸は、人工アミノ酸の種類。人工といっても歴史は古く、止血剤や耳鼻科で喉の痛みを緩和する抗炎症剤として用いられてきましたので、病院などで耳にしたことがあるかもしれません。

 

トラネキサム酸が美白成分として注目されたのは、第一三共製薬が肝斑に有効だという、トラネキサム酸を主成分とする内服薬を開発したことがきっかけになります。服用した患者に効果が現れ、トラネキサム酸は肝斑に効果的だという話が徐々に広まっていったのです。

 

その後、化粧品メーカーなどの研究により、トラネキサム酸はメラニンを活性化させる「プラスミン」というメラノサイト活性化因子を抑えることがわかりました。肝斑の原因であったメラニン生成が抑制された結果、肝斑が薄くなったとして、本腰を入れて肝斑やシミの治療薬として使用されるようになっていきました。今は、厚生労働省から承認された美白の有効成分でもあります。

 

抗炎症作用がありますから、肌荒れを予防し、炎症性のシミやニキビ跡にも改善が見られ、医薬品と医薬部外品のどちらにもなり得る成分の強みを感じることでしょう。

 

 

・トラネキサム酸の美容効果

 

元々は肝斑に効くとして開発された成分ですから、美白化粧品の成分となって配合された時点で、どちらにも有効であるということになります。

 

10代、20代のうちは新陳代謝も活発ですから肌のターンオーバーも元気ですが、加齢と共にだんだんとターンオーバーの周期が遅くなってくると、メラニンの排出も遅れると同時にシミや肝斑などが目立つようになってしまいがちです。

 

トラネキサム酸は、シミや肝斑などの原因となっている、メラニンを活性化する酵素であるメラノサイトの働きを抑えますので、年齢と共に落ちていく新陳代謝のスピードに反比例して増えていくメラニンの生成に打ち止めをしてくれます。新しくメラニンが生成されることを防御してくれますから、肌のターンオーバーが遅くてメラニンの排出が遅くなっていても、サポートをしてくれるのです。

 

 

 

・トラネキサム酸の効果をしっかり出すためには

 

臨床的に効果が認められるデータで見ると、トラネキサム酸の濃度はほとんど2~3%が多いということになります。市販品の美白化粧品でトラネキサム酸が配合されていても、濃度が開示されているわけではありませんから断定はできませんが、あくまで臨床データ上の予測内のことでいうとそういうことになっています。

 

トラネキサム酸の濃度が高いとされる資生堂のHAKUや三共ヘルスケアのトランシーノであっても、トラネキサム酸の濃度は0.5%~1%前後という予想がされます(資生堂のイオン導入試験が2%濃度でほぼ行っていることから推測)。

 

また、医療機関専売品のナビジョンでいうと、トラネキサム酸の濃度は、特許情報から2%前後と予想されます。どれも推測の濃度数値ですが、美白化粧品は医薬品ではなく、医薬部外品ですから、濃度を濃くはできないのです。適合範囲があって、副作用の症状となるヒリヒリ感を感じる刺激や赤みや白斑などが出てしまってはマズイことになります。

 

医療機関専売品のナビジョンは、医療機関で行うイオン導入用の専売品という性質のため、高濃度で商品になっているということです。

 

そうなると、市販の美白化粧品では効果が得られないのでは…という疑問になりかねませんが、トラネキサム酸だけが美白に効くわけではありませんから、他の成分と組み合わせている化粧品を使用すれば(例えば、資生堂が開発した「4MSK」と「m-トラネキサム酸」2つの美白成分を配合したものなど)、一定の美白効果は期待できるのではないでしょうか。

 

 

 

■おすすめのトラネキサム酸美白化粧品

 

・エリクシール ホワイト クリアローション C II (J)

 

エイジングケアの定番、大人の美白ケアの定番であるエリクシール。話題の美白有効成4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)を配合し、資生堂が新たに開発した厚生労働省認可の医薬部外品有効成分が入って、ますます目が離せないシリーズになっています

 

サリチル酸の誘導体である4MSKが、メラニンの元を作るチロシンに作用してしまう酵素「チロシナーゼ」の活性を抑えますから、メラニン生成を抑えることに積極的に働きます。また、シミができている部分で起こっている症状(慢性的な角化プロセスの乱れ:慢性角化エラー)にも作用しますから、堆積したメラニンを排出する役割もしています。

 

メラニンの抑制と排出しながら、顔全体を潤いとハリや弾力で満たしてくれます。顔印象までも、みずみずしく明るく導きます。肌のすみずみまで、うるおいとハリで満たします。ホワイト クリアローションC II (J)の感触はなめらかなとろみ感。しっとりと肌にうるおいが馴染むようにしみ込みます。

 

 

・資生堂 dプログラム バイタルアクトローションWⅡ【医薬部外品】

 

1997年に誕生したdプログラム。現在、dプログラムは、時代のニーズに合わせて4つの肌タイプでシリーズ展開しています。肌に合わせた有効成分配合で、最適な保湿バランスを提案している化粧品です。すべてに美白成分としてトラネキサム酸を配合し、それぞれの肌に応じた使用感にもこだわりがあります。

 

バイタルアクトローションWⅡは、特にエイジングケアプログラムになり、乾燥しやすく、ハリや潤い、透明感が欲しい、年齢サインが出やすい肌にぴったりな、こくがあってとろみ感のあるローションです。美白をしながら、保湿にも重点を置いた商品になるでしょう。

 

植物由来成分として、イチョウ葉エキス 、イザヨイバラエキス 、オノニスエキス、セイヨウサンザシエキス、タイムエキスなどを配合し、プラスαの効果が期待できます。

 

・アクアレーベル シミ対策美容液【医薬部外品】

 

アクアレーベルシリーズの中でも、美白ケアのスペシャルケアに入るのが「アクアレーベル シミ対策美容液」。資生堂が開発した美白成分「m-トラネキサム酸」、保湿成分「ヒアルロン酸」「リピジュア」、角質まで浸透させるPEG/PPG-14/7ジメチルエーテルを配合していますので、シミやそばかすを増やさない、透明感のある肌へ導いてくれます。

 

美白化粧品の価格ではリーズナブルであるにもかかわらず、しっかりした美白成分が入っているため、潤いが角層の奥深くまで浸透していく実感があると人気も高く、リピーターの多い商品になります。

 

今主流のジェル状の美容液が、サラっとした伸びの良いつけ心地で肌に馴染み、使用するたびに心地よさを運んでくれます。ベタつきもなく、サッパリとした使い心地を好む方にはおすすめの美容液です。

 

 

・HAKU

 

塗るトラネキサム酸の代表格ともいえる商品が「HAKU」。CMでもお馴染みですから、資生堂から出ているトップブランド商品名だということは、女性なら多くの方がご存知ではないでしょうか。

 

HAKUにもトラネキサム酸が入っていますが、資生堂のトラネキサム酸だけは「m-トラネキサム酸」と呼んでいます。同じ成分には違いないのですが、資生堂が独自に開発した成分であり、医薬部外品の美白有効成分として新たに厚生労働省から認可されたこともあって、こう呼ばれているのです。商標のようなものでしょうか。

 

トラネキサム酸が入っている「トランサミン」という、錠剤やカプセルなどのさまざまな薬がありますが、それを美容分野に応用して化粧品となったものに第一三共ヘルスケアのトランシーノがありますが、トランシーノがヒット商品となったために、資生堂の美白化粧品「HAKU」にも、トラネキサム酸が配合されるようになったのです。